APPARTEMENT numero12
by 12-boutique
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空気のようなサービス懇意にさせてもらっているレストラントのオーナーがある日めずらしく饒舌になって僕に言った
「私の店では『心地よい時間』というのもメニューのひとつに含まれているんだ...もちろんそんなことはメニュー表には書いていないけどね」
いつも寡黙でそんな熱っぽく語ることのない彼に少し驚いたが
とてもよくわかりますと僕は応えた
実際に心地よい時間というものはお店が提供するべき最高のサービスだと僕はおもう
目にみえるものがすべてではないんだ
だってほら
目にみえない空気は生き物にとって
もっとも必要なものだろ
- せかいのことばより
食を楽しむ空間 モノを買うこと選ぶことを楽しむ空間
そこには目にみえない「時間」が流れている
特典や値引き、そして過剰すぎるほどの親切を売りにしたサービス
そういったものとは逆の目にはみえない「空気のような心地よい時間」を提供するサービス
レストラントのオーナーも僕も後者のようなサービスを提供したいとおもっている
もちろんそれはカタチとして捉えられないが故にとても難しいことでもある
しかしモノや情報がこれだけ溢れている現代だからこそ
そういった目にはみえない「心地よい時間」というものを提供する側もされる側も尚更必要としているような気がする
生き物が自然に空気を必要とするように・・・
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by 12-boutique
| 2007-05-06 00:00
TAPIR - タピール若いアナタは笑うかもしれない・・・
その昔、我が家では子供が靴を磨くという風習があった
家の中で最年少の僕の夕飯前の日課が家族の靴を磨くというものだった
まぁ当然のごとく靴を磨いたあとはきまって小遣いをせびっていたわけだが・・・
その頃の名残りかどうか大人になった今でも習慣のようになってしまっている「靴磨き」
靴にかぎらずくたびれた革モノをみると反射的にケアしたくなる
そんな風変わりな条件反射まで備わってしまい今ではレザーケアは僕の趣味のひとつとなっています
TAPIR - タピールとの出逢いはまさにそんな僕の風変わりな習慣を楽しみながらやれる趣味へと押し上げたモノのひとつでしょう
それまでのレザーケア商品にみられる石油系のオイル臭や刺激がなくもともと自然のモノである革をやさしく無理なくケアできるという利点
なによりオレンジの香りがする靴磨きのワックスなんて素敵じゃありませんか
その昔お小遣いほしさに薄暗い夜の玄関でえっちらおっちらと靴を磨いていた少年時代
時が過ぎて・・・
行為自体に変化はないけれど楽しみながら靴を磨くことを続けられている大人になった僕
その陰には素敵なケア道具との出逢いがあったからというのは言うまでもない事実かもしれない
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by 12-boutique
| 2007-04-22 00:00
古いモノたちの記憶
古いモノたちが持つ独特のオト ナキ オトを耳にするのが僕はとてもすきなのです
彼等のもつ記憶を辿り 彼等の話す記憶に耳を傾ける
彼等の話す 喜びや 悲しみを・・・そっと温度として受けとめる
そうやって僕と彼等は親密な関係を築いて同じ時間を共有する仲になる
彼等はけして寡黙なんかではない
外見からしていつも大人しいイメージで見られているみたいだけれど
実はとってもおしゃべりなのです
そのおかげで僕は何度となく彼等のおしゃべりにつきあって
眠れないまま朝をむかえるなんてことも...
それでも彼等との親密な時間はとても居心地がいいのです
もしもアナタがお気に入りの古いモノたちに出逢うことができたなら
どうぞ彼等の語るオト ナキ オトに耳を傾けてみてください
そこに「モノとヒト」とのとても親密な時間を感じることができるはずです
でもよく気をつけてくださいね
彼等は見た目以上におしゃべりですから・・・
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by 12-boutique
| 2007-04-13 00:00
undulate - アンデュレートそれなりに自信があっても案外と曖昧なのが「記憶」・・・
その中でもとりわけ視覚的な記憶というものがいちばん確かなようにも思えるが
実はいちばん曖昧だったりする
そして曖昧でありそうな嗅覚での記憶は意外にも鮮明だったりする・・・そうはおもいませんか?
なにかの匂いを嗅いだ瞬間にふっと記憶が呼び戻されたりだとか
きっとみなさんにもそういった経験が多々あるとおもいます
どうやら嗅覚の記憶というものは目には見えない不確かなものではあるけれどしっかりと僕達の五感、六感にある種の作用をほどこしているみたいです
だから僕はお店での香り(匂い)をとても大事に考えています
来ていただいた方々の記憶に雰囲気としてのなにかがそっと残るように・・・
先にも書いたように視覚的な記憶だけでは曖昧なものだしとても流動的です
しかしそこに嗅覚の記憶が加わればより確かな記憶としてお店の印象を憶えておいてもらうことができます
僕が提案したいのは「そういった商品」ではなくて「そういった雰囲気」なのです
同時に僕が求める香りにはもうひとつ大切な役割があります
それは「癒し」です・・・
undulate - アンデュレートのフレグランスキャンドルは「記憶」と「癒し」に絶大な効果を発揮してくれます
それはこのフレグランスキャンドルのコンセプトが
「過去と未来をあわせ持ち共鳴させる」ことにあるからに違いないと僕は考えているのですが、どうだろう...
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by 12-boutique
| 2007-04-05 00:00
Astier de Villatte - アスティエ・ド・ヴィラットアスティエとの出逢いもやはりパリだった
お店の買い付けでパリを訪れていた僕は久々に再会する友人とその日食事の約束をしていた
少し早めに仕事が終わった僕は彼との待ち合わせまでの時間を持て余してあてもなく夕方のサントノレをぶらついていた
高級ブティックが軒をならべるその通りのウインドウをみるともなく...
そんななかにひっそりとそのお店はあった
- Astier de Villatte - アスティエ・ド・ヴィラット -
実はこの時すでに日本でもそれなりの知名度と人気があったらしいのだが、恥ずかしながらその時点で僕はその存在すら知らなかった
(お店に入ったのも偶然でよくあるツーリスト向けの雑貨店だとばかりおもっていた)
ただお店を出た後もその時目にした陶器の独特な白さがやたらと印象には残っていた
でもその程度だ...けしてアスティエとの最初の出逢いはドラマティックとはいえない
そして日本へ帰国する日、フライトまでの時間を僕はふたたび持て余すことになる
ふと思い立ちサントノレのあの店へ
今度は陶器の器を手にしてみる...まるでそれは陶器ではなかった いや正しく言えば
「それは僕が知る陶器と呼ばれるモノとは決定的になにかが違っていた」
- テーブルウエア -という言葉があります
ウエアとは「着る」「羽織る」を意味します、テーブルウエアとはまさに食卓を着飾るためのインテリアを指します
シンプルでありながら食卓をドラマティックに演出してくれるアスティエの器達
そんなアスティエの器達にはまさにこのテーブルウエアという言葉がぴったりだとおもう
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by 12-boutique
| 2007-03-31 00:00
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